「ちょっとずつ違う」シリーズはこれまで、触覚・聴覚・重量感覚など、人間が動物と共有する原初的な知覚をテーマにしてきました。その対比として着目したのが、人間だけが持つ認知の特性です。
他の動物とは異なり、人間は異なるものを「おなじ」と見なす能力を持っています。この特性をゲームとして設計したのが「だいたいおなじ」です。
ゲームの仕組みはシンプルです。カードに描かれたものごとの要素を取り出し、一見無関係なものどうしの共通点を見つけて言葉にする。正解はありません。発見したつながりを、他のプレイヤーに説明することがゲームの中心です。
テストプレイを重ねる中で、一つの問いが生まれました。このゲームを遊ぶことで、人にどのような感情が生まれ、コミュニケーションにどのような変化が起きるのか。
親子での観察では、興味深いことが起きていました。子どもの発想に親が驚く。正解のない場では、親は評価ではなく承認する立場に自然となる。承認された子どもはさらに話す。日常の親子会話が必要事項中心になりがちなのに対し、ゲームの中では対等で分析的な対話が生まれていました。
「おなじを見つけて言葉にする」という行為は、評価や正誤のない承認の場を生み出します。そしてその場は、日常では起きにくい深みのあるコミュニケーションをつくる。このゲームはそのような対話の場を設計する実践として、教育・福祉・労働など幅広い文脈への応用可能性を持つと考えています。

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